盛岡つなぎ温泉病院 日本医療機能評価機構
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病院実習

当院は、岩手医科大学(医学部・薬学部)、岩手リハビリテーション学院、各看護学校他、学生の実習を積極的に受け入れています。岩手医科大学医学部の昨年の実習生の感想をご紹介します。

【岩手医科大学3年生】 A君

 今回の地域医療研修で私たちは盛岡繫温泉病院で実習を行いました。繫温泉病院は、療養病棟、一般病棟、回復期病棟をもつ総合病院で外観はそれほど新しくはないが、中は非常にきれいで温泉も完備していることに驚きました。そのような繫温泉病院で実際に一週間実習を行って感じたことは「老人医療」と「コミュニケーション」の大切さです。

 繫温泉病院の特徴は人工呼吸器をつけた高齢患者が多いということで、回診や入浴介助を行った際にALSなどで人工呼吸器をつけ、意識レベルが低い患者に多く接した。
 今まで大学病院ではこれほど多くの人工呼吸器をつけた患者を見た事がなく、老人医療についてもそれほど深く考えたことが無かったので、繫温泉病院で見た老人医療の実情に衝撃を受けました。もし自分の両親が将来人工呼吸器をつけなければならない患者になってしまったら自分は人工呼吸器を付けることに同意できるのか、目の前の高齢者患者の家族はどのような心情で人工呼吸器をつけることに同意したのかという疑問がずっと頭の中に残っています。
 まだその疑問について自分なりの答えは出せていないが、医師になり実際の臨床の現場で経験を積むことで答えを見い出したいと思います。

 もう一つ印象に残ったことである「コミュニケーション」の大切さを一番感じたのは、最終日に行った訪問看護の時です。看護師の方と共に実際に患者さんの自宅を訪問し見学したのですが、これほど患者さんとのコミュニケーションが難しいと感じたのは初めてでした。患者さんも自宅でリラックスしているせいかとてもよく話してくれるのですが、患者さんが考えていることと看護師さんが患者さんに伝えたいことにズレがあるときがあり、看護師さんが言おうとしていることがなかなか患者さんに伝わらないということがありました。
 医療ではコミュニケーションが大切と習ってきたのですが、実際に訪問看護のように患者さんと医療従事者の距離が非常に近い場合でもそのコミュニケーションを円滑に行う事がこれほど難しいのかと感じました。私も将来医師になった時には今回同行させていただいた看護師の方のように粘り強くかつ大胆なコミュニケーションが出来るようになりたいと思います。

 今回の実習では上記のこと以外にも多くのことを学び、今まで考えることがなかったことも深く考えることができました。私はまだ臨床科目を学んでいないので何もすることができなかったが、今回の実習を終えて医師になるというモチベーションが大きくなりました。この実習で経験したことや学んだ事を単なる思い出にせず、これを糧にする気持ちでこれからの勉強に取り組んでいきたいと思います。

【岩手医科大学3年生】 B君

 今回自分は繫温泉病に行ってきました。そこでは主に、療養病棟とリハビリテーションに特化していました。温泉を利用した様々な療養施設はその地域ならではだと感じました。

 療養病棟ではほとんどの患者がレスピレーターを必要とする寝たきりの患者でした。しかしそれにもかかわらず褥瘡数がとても少ないものでした。研修で看護師の方と一緒に仕事をさせて頂きましたが、入浴介助など行うべきケアはとても過酷なものでした。その大変な入浴介助を少ない人員で頻繁に行い、様々な作業を実際に行う看護師の方と、それを指示する医師との間には適切なコミュニケーションが必要不可欠だと強く感じました。
 また寝たきりのレスピレーターの患者を見て、これからの高齢化の中での医療や終末期医療に対して強く考えさせられました。レスピレーターを装着する医師にも確固たる自分の考えを持っていなければならないと感じました。

 今回の研修では臨床の場にも多く触れる機会があり、これからの医師になるための勉強に、特に後期からは臨床の講義が始まるので、強く意欲がわきました。
 また回診の様子や作業療法科や理学療法科、検査部など様々な部署を見学することで実際にチームとして一人ひとりの患者さんに対して機能しているチーム医療を肌で感じました。
 今回の研修で自分がこれから医師になる上で何を身につけなければならないのか、どんなことを考えていかなければならないのかを一部でも明らかにすることができ、非常に貴重な体験であったと思っています。

【岩手医科大学6年生】 C君

 私はこの地域医療実習前の2ヶ月間、呼吸器内科と放射線科をスーパーポリクリで回り、大学病院で急性期の患者さんばかりを対象に実習させてもらいました。その中で大学に近い病院というのは、どのような位置でどのような診療を中心に行われているのか、そして大学病院とは何が違うのかということが知りたく、繫温泉病院を希望させていただきました。

 繫温泉病院で実習させてもらい、一番に感じたことがあります。それは医師を中心に全病院職員がまとまっているということです。実習初日から、すれ違う人全員から笑顔で挨拶してもらい大学と何か違うと戸惑ってしまいましたが、その日の回診で全てが分かりました。
 大学での回診の時は、医師・看護師のみで行っていましたが、繫温泉病院では医師・看護師だけでなく、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、ソーシャルワーカー・栄養士などコメディカルのスタッフと共に回診を行い、患者さん一人一人に対し、治療計画から退院・次の入所施設まで全員で検討しながら回っていました。その時私は、これがチーム医療というもので、スタッフ全員が同じ課題に向かっていく一体感というものを感じました。
 確かに大学病院では、全てが急性期一般病床なのでこのようには出来ないと思いますが、もし将来自分が慢性期療養病床のある病院に勤めた場合には、患者さんのためにも繫温泉病院の様な回診をしたいと思いました。
 また各患者さんのリハビリを決める会議でも医師を中心に多くのコメディカルが議論していて、小西院長を始め、全ての先生たちの求心力というものを感じました。最善の治療をするには医師たるもの患者のみならず、全てのスタッフから信頼されていないといけない。それを繫温泉病院の先生から一番に学んだことです。

 今までの実習ではなかなかやらせて頂けなかった、動脈血採決・尿道カテーテル・サーフロ練習・腹部エコー・インスリン注射等々を2週間のうちに何回もさせて頂きました。また知識面でも、輸液・輸血などの全身管理法が苦手だと言ったところ、わざわざ先生が空いた時間に講義をしてもらい大変感謝しております。来年からの初期研修に向けて大きな自信を持つ事ができました。
 他にも訪問看護や入浴介助などを体験させて頂きました。体力的にもキツイものがあり、スタッフが女性だけだと大変な仕事だと実感すると共に、介護の問題などいろいろなことを考えさせるものでした。
 
 2週間ととても短かったですが、得たものは大きくここまで充実した実習を送ることが出来たのも、小西院長を始め全ての先生方、繫温泉病院のスタッフの皆様のおかげです。本当にありがとうございました。

【岩手医科大学6年生】 D君

 私は盛岡繫温泉病院で実習を行わせて頂きました。最初は地域医療実習と大学で行う実習と違いがあまり想像出来ず、地域医療というものが具体的に何をするものなのかということを少しでも理解できたらと思い、それを念頭に置いて実習に望もうと考えました。
 盛岡繫温泉病院は御所湖のすぐ傍にあり、病室からも御所湖の湖畔や森林が望めるようになっておりとてもよい環境にありました。病棟は、急性期一般病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養型病棟と分かれていて、規模としては170床ほどでした。看護師、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、薬剤師、栄養士、医療相談員などスタッフが多彩でした。

 初日は急性期一般病棟の回診から始まり、まず医師、看護師だけではなく理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師の方々も一緒に回診に付いていくことに驚きました。最初はなぜなのだろうと思っていましたが、回診が進み現病歴や治療経過を医師が述べた後に、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の方々が現在のリハビリテーションの進行度について、また問題点なども述べていて、大学の実習では見ることがなかったので、とても新鮮で印象に強く残っています。
 地域医療というのは治療だけでなく、その後の生活環境も考えてリハビリテーションが大きな役割を持っているのだと感じさせられました。
 回っていくと、繫温泉病院はALSや脳出血、低酸素脳症などレスピレーターを必要とした患者さんが多くいることに気づき、繫温泉病院は患者さんの状態を維持管理していくこと、つまり緩和医療に重点を置いていると実感しました。

 翌日からは、担当患者さんを決めていただき、その方についての日々の変化について問診などを行ったり、血液ガス採取、縫合、尿道バルーンカテーテル挿入、完全ガイド下に気管カニューレ挿管など大学では出来なかったことを数多く体験させていただき、とても貴重なものでした。

 二週間の実習を行ってみて、来年から働くことを考えると、自分の理想としての医師像と医師として働くことへの不安をじっくりと考えさせられ、とても充実した時間を過ごさせて頂きました。最後に短い間でしたが、お世話になった小西院長先生を始めとする諸先生方、病院スタッフの方々に感謝いたします。今回の実習で、一人の医師としてスタートする覚悟が出来たと思います。本当にありがとうございました。